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2007年05月15日

黒大豆種皮中に含まれる成分に内臓脂肪の蓄積の抑制作用

 フジッコは、黒大豆種皮中に含まれる成分であるシアニジン-3-グルコシドに内臓脂肪の蓄積を抑制する作用があることを、内臓脂肪細胞を用いた試験で証明したと発表した。

 同社はこれまでに静岡県立大学石田均司講師との共同研究を行い、黒大豆種皮の抽出物が、卵巣摘出したラット更年期モデルや高脂肪食負荷した雄性ラットの肥満モデルを用いた動物実験(日本栄養・食糧学会第60回大会で発表)により内臓脂肪蓄積を抑制することを確認したことから、肥満やメタボリックシンドロームの抑制あるいは改善に黒大豆が有用であると考え、研究を進めてきたという。

 黒大豆の種皮には、優れた抗酸化活性を示すポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれているとのこと。アントシアニンはブルーベリーやカシスなどにも含まれているが、黒大豆種皮にはアントシアニンの中でもシアニジン-3-グルコシド(C3G)と呼ばれる成分がとくに豊富に(黒大豆種皮中アントシアニンの90%以上)含まれることが大きな特徴だと説明する。今回はこのC3Gの内臓脂肪への作用を確認するため、内臓脂肪細胞培養系を用いた試験を行ったという。

 同試験では、市販ラット内臓脂肪細胞初代培養キットVAC-01(プライマリーセル)を使用。24 well plateに1.2×105個ずつ各wellに細胞を播種してから3日間培養した後、C3G添加培地に交換し培養を継続したという。このとき、C3G 無添加の通常培地で培養継続したものを対照区(無処置区)としたとのこと。C3G添加培地での培養開始から5日後の細胞をオイルレッドO染色し、細胞内脂肪滴の大きさを顕微鏡観察したという。その結果、C3G添加培地で培養した細胞では、無処置区に比べて大きな脂肪滴が少なくなっており、またそれは添加したC3Gの濃度が高くなるほどその傾向が強いことが観察されたと説明する。

 次に、この染色細胞からオイルレッドO色素を抽出し、細胞内中性脂肪量として比較した。

 この試験では、脂肪滴の大きさと抽出される色素量とは比例関係になるという。測定の結果、C3G添加培養した試験区では抽出される色素量が無処置区に比べて濃度依存的に減少し、C3G 100μMの添加濃度では統計学的に有意な減少であることが分かったとする。しかし、この試験系では脂肪細胞が培養中に死んだりして、数が減ってしまった場合も同様に抽出される色素量は少なくなるため、内臓脂肪細胞の数や生存率へのC3Gの影響を確認する必要がある。

 そこで、同細胞を96 well plateに2.4×104個/wellとなるように播種後、上記方法で同様に培養した細胞について、細胞数計測アッセイを実施したという。その結果、C3Gは内臓脂肪細胞の数や生存率を低下させないことが分かったという。従って、上記で確認された効果は、C3Gが細胞内の脂肪蓄積量そのものを低下させたことによると考えられるとしている。

 以上から、C3Gは内臓脂肪細胞の脂肪蓄積を濃度依存的に抑制することがわかったと説明する。昨年の同学会で報告したように、黒大豆種皮抽出物はラット肥満モデルの内臓脂肪沈着を抑制することを見出しているが、その作用にC3Gが強く関係していることが今回わかったとする。これにより、世界的に問題とされている肥満・メタボリックシンドロームの予防や改善に、C3GあるいはC3Gを豊富に含む黒大豆の有用性が期待できるとのこと。黒大豆は、中国では漢方の素材として重用されるなど、古くから健康食として親しまれてきたという。同社では、今後も黒大豆やその成分について、研究を進めていく考え。

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