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2007年02月02日
肥満大国ニッポンがすぐそこに
アメリカ・ウエストバージニア州の市民は、全米一の肥満度を誇るといわれている。かれらはこぞってフライドチキンとポテトチップ好きだからだ。肥満のおおきな原因のひとつに脂肪の摂り過ぎがある。脂肪を必要以上にためこむと高脂血症になり、そのままほうっておくと、こんどは動脈硬化をおこし、ついには心筋梗塞や脳梗塞を誘発する。
フライドチキンやポテトチップは、食用油脂(ショートニング)で揚げるが、この食用油脂には、じつは悪玉コレステロールを増加させるトランス脂肪酸が多く含まれていて、多量に摂取すると心臓疾患を招きやすいということが最近わかった。トランス脂肪酸は、菓子やドーナツなどに用いられる調理油やサンドイッチのマーガリンなど多くの食品に使われている。そこで06年末、ニューヨーク市の保健委員会は、トランス脂肪酸を市のすべて飲食店から締め出すことを決め、これをうけた市内のレストランやファーストフード店は、脂肪酸の少ない食用油に切り替えつつある。
肥満の程度を示すBMIという測り方がある。体重(㎏)を身長(m)の二乗で割って、25以上だと肥り過ぎとする国際指数だ。これで判定すると米国人の成人の7割近くが25以上になり、憂慮した米政府は、2002年、肥満治療費を税金の控除対象にしたほどだ。
日本でも、この状況は対岸の火事ではない。2006年、厚労省が発表した国民栄養調査によれば、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)といっていい人は、予備軍をふくめると、40歳から74歳の男性で2人に1人。女性で5人に1人の割合で存在するという結果が出た。
メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト(臍周囲径)が男性で85cm以上、女性で90cm以上を必須項目に加えて、血糖110mg/dl以上、脂質異常(中性脂肪150mg/dl以上および/またはHDLコレステロール40mg/dl以下)、血圧130mHg以上および/または85mmHg以上のうち、2つ以上が重なった場合にメタボリックシンドロームと診断される。
内臓脂肪の蓄積というと、どうしても年配者に目がいきがちだが、むしろに若者たちのほうが深刻だ。なぜなら年配者の若い時分には、いまほど外食産業が盛んではなく、脂分の多い食事を摂っていたわけではないからだ。若者は代謝力があるから、そうかんたんには太らないが、年を経るにしたがって代謝力は落ち、内臓脂肪の蓄積は確実にスピードアップされる。
ライフスタイルの欧米化は、完全に食生活におよんだ。ハンバーガーやポテトチップになれた世代がそうかんたんに食生活を変えるとは思えないし、ニューヨーク市のような啓発や規制を行うという話も、日本ではまったく聞こえてこない。とすれば、日本がアメリカ以上の肥満を誇る国になるのは、遅くても、いまの20歳代が40歳代になる、ちょうど20年後か。
