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2006年06月28日

セサミンの肥満モデル動物に対する研究成果

 サントリー(株)健康科学研究所(所長:木曽良信、大阪府三島郡島本町)とお茶の水女子大学・藤原葉子助教授のグループは、セサミンの肥満モデル動物に対する作用について共同研究を進め、今回、新たにセサミンの血糖値低下作用について確認しましたので国際動脈硬化学会(2006年6月19日-22日、イタリア・ローマ)で発表しました。
 今回の発表骨子は、以下のとおりです。

▼発表演題
 「Sesamin reduced blood glucose concentrations in Zucker fatty rat」
(邦題:肥満ラットにおけるセサミンの血糖値低下作用について)
発表者:お茶の水女子大学・栄養化学 藤原 葉子ほか

●「セサミン」について
 ゴマに含まれる主なリグナン化合物の一種で、ゴマの中にわずかしか含まれない成分です。セサミンはこれまでの数多くの研究により、コレステロール低下作用、脂質代謝亢進作用、高血圧抑制作用、抗酸化作用、肝臓保護作用、乳がんおよび肝臓がん発生抑制作用、免疫調節作用などを持つことが報告されています。

<研究の背景>
 セサミンはこれまでに脂肪のβ酸化(脂肪の燃焼)亢進作用や、脂肪酸の合成抑制による肝臓や血中の中性脂肪(TG)の低下作用があることが明らかにされています。しかしながら、糖尿病や血糖値に対する作用は知られていませんでした。そこで今回、肥満と糖尿病の研究用モデル動物として知られているZucker fatty rat(ズッカーファッティーラット)※1を用いて、セサミンによる血糖値の上昇と脂肪蓄積への影響を調べました。

※1 Zucker fatty rat:食欲を抑制する作用をもつホルモン(レプチン)の受容体を遺伝的に欠損したラットで、食欲に抑制が効かず、過食により高度な肥満を呈し、早期に糖尿病を発症するモデル動物。近年は、メタボリックシンドロームのモデル動物としても利用されている。

<実験方法>
 5週齢の雄性Zucker fatty ratを以下の4群に分け、それぞれの調製飼料を自由に摂取させました。3週間後に一晩絶食下で糖負荷試験※2を実施し、血糖値の変化を測定しました。さらに1週間飼育した後、各種臓器を摘出し、各種生化学的マーカーの変動について評価しました。
( I )正常食摂取群
( II )高脂肪食摂取群
(III)高脂肪食+セサミン(0.2g/kg diet)摂取群
(IV)高脂肪食+セサミン(0.5g/kg diet)摂取群

※2 糖負荷試験:糖尿病の診断方法のひとつ。糖尿病が疑われる患者に対し、短時間に一定量のブドウ糖水溶液を飲ませ、一定時間経過後の血糖値から糖尿病かどうかを判断する評価方法。

<結果>
 正常食摂取群( I )と比較して、高脂肪食摂取群( II )は、空腹時、糖負荷試験時ともに血糖値が顕著に高い値を示しました。一方、セサミン摂取群(III)(IV)は、高脂肪食摂取群( II )と比較して、空腹時の血糖値のみならず、糖負荷試験時の血糖値の上昇も有意に抑制していることが明らかとなりました。(図1)


図1 糖負荷試験時の血糖値推移

 ※添付資料参照

 正常食摂取群( I )と比較して、高脂肪食摂取群( II )は、腎周囲脂肪の重量増加や肝臓中の中性脂肪の蓄積が認められました。一方、セサミン摂取群(III)(IV)では、高脂肪食摂取群( II )と比較して腎周囲脂肪の重量増加や肝臓中の中性脂肪の蓄積を抑制する傾向が認められました。(図2)


図2 腎周囲脂肪重量および肝臓中中性脂肪

 ※添付資料参照
 

<結論>
 以上の結果より、セサミンは、肥満と糖尿病のモデル動物であるZucker fatty ratの血糖値の上昇と脂肪蓄積を抑制することが明らかとなりました。このことから、セサミンの継続摂取が、メタボリックシンドロームの予防や進行の抑制に有効である可能性が示唆されます。


▼国際動脈硬化学会(The International Atherosclerosis Society)について
 動脈硬化やその関連疾患に関するサイエンスや情報収集、教育などを国際レベルで推進することを目的として1979年に結成。数年おきに開催される国際会議に加え、刊行物の発行などの活動を行っている。2003年の京都大会以来となる今回の第14回会議は、イタリア・ローマにて開催。

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