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2006年05月05日
生活習慣病の引き金に
今日は「こどもの日」。すべての子どもの幸せと健やかな成長を願ってやみません。でも「肥満」には気を付けたい。心筋梗塞(こうそく)など重大な病気の引き金となるメタボリックシンドロームに大きく関与していることが分かっている。幼少期の肥満は大人へ移行するという。将来、生活習慣病で苦労しないためにも、子どものうちから注意したい。
子どもの肥満が急増している。「数十年前、小中学生の肥満は2-3%でしたが、今は約10%。実に三倍です」と話すのは浜松医科大(静岡県浜松市)小児科の大関武彦教授。背景には言うまでもなく、お菓子やジュースをはじめとした高カロリー食の取りすぎ、朝食を取らないといった食生活の乱れに加え、外で遊ぶなどの運動習慣の激減、ストレスなどがある。
肥満、特に内臓脂肪型肥満に基づくメタボリックシンドロームは、代謝異常症候群とも呼ばれ、高血圧・高血糖症・高脂血症などを誘発。血圧などそれぞれの数値は危険域でなくても併発することで心筋梗塞、脳卒中などの動脈硬化疾患が起きやすく、国を挙げての対策が始まっている。
大人ではウエスト八十五センチ以上(女性は九十センチ)で、▽空腹時の血糖が高め▽血圧が高め▽中性脂肪が高め、または善玉コレステロールが低め-の三項目中二つあてはまる人を、同シンドロームと位置づけ、治療対象に定めている。
漠然と「肥満がよくない」ことはだれもが知るところ。でも、子どもには「やせているより、少しぐらい太っていた方が安心だし、かわいい」なんて思っている人もいるのでは。
一般的に、乳児期は脂肪細胞の増殖が激しく、生後一歳をピークにいったん落ち着く。そして小学生ごろから思春期に向けて再び激しくなる。「本来、小一ごろは、少しやせ気味が標準。ところが『少し太っていても…』といって見過ごしていると、子どもを肥満傾向にしかねない」と大関教授。三歳ごろから、見た目で勝手に判断するのではなく、肥満度判定曲線や成長曲線などを利用し、チェックすることをすすめる。肥満度判定曲線ではプラス20%より上は要注意だ。
実際、子どものメタボリックシンドロームが多く確認されているという。小学生の糖尿病患者は二十年で十倍にも。このため、厚生労働省では現在、大人向けに加え、小中学生向けのメタボリックシンドロームの診断基準を検討中だ。研究班の座長も務める大関教授は「血圧などの数値も将来決めるが、まずウエストが八十センチ以上の子どもはその危険性が高い」と語り、該当者は肥満外来などの受診をすすめた。
大関教授は「学童期の肥満の七、八割は大人になっても続く。また、大人になってから食事や運動の習慣を変えることは容易でなく、肥満と診断された人の多くが治療に悩む。学童期はまさに将来の生活習慣を築く時期で、子どものうちから気を付けたい」と話した。
肥満対策の基本は食事、運動療法で大人と変わらない。子どもで注意したいのは、学童期は子どもがさまざまな成長を遂げる時期であるということ。単にカロリーを落とすのではなく、特に子どもが摂取しすぎる脂肪分を少なくするなど、栄養の中身に注意したい。
親もそろって肥満というケースが多く「家族も一緒で」が秘訣(ひけつ)だ。
