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2006年03月13日

炭酸飲料は肥満の原因か

 肥満が国民病ともいわれる米国では、ダイエット法の効果などをめぐって数々の論争が巻き起こってきたが、最近特に注目を集めているのは「炭酸飲料原因説」だ。炭酸飲料の摂取量と肥満との相関関係を示す研究結果が相次いで発表され、たばこと同様に健康被害の警告表示を義務付けるべきだとの声まで上がり始めた。これに対し、飲料業界は激しい反論を展開している。


専門家らによると、米国人が摂取するカロリーの5分の1は飲み物が占める。炭酸飲料など、砂糖を含む清涼飲料水が肥満にかかわっているとの説は、これまでも何度となく浮上してきた。


関連を主張する専門家らによれば、米国内のソフトドリンク(清涼飲料水や乳飲料)の消費量は、1977年から97年までの間に成人で約1.6倍、子どもで約2倍に増加。同じ期間に、肥満もほぼ倍増した。ハーバード大の小児科医、デービッド・ラドウィグ博士が、マサチューセッツ州の学童548人を対象に行った調査では、甘い清涼飲料水を飲む量が1日に1本分増えると、肥満になる率が60%増加するとの結果が出た。同博士は、ファストフードや清涼飲料水に「肥満税」をかけるべきだと主張している。


また、清涼飲料水などの甘味料として使われる「高果糖コーンシロップ」には、砂糖などと違って満腹感を感じさせるホルモンの分泌を促す働きがないため、カロリーの取りすぎにつながりやすいとの指摘もある。ペンシルベニア州立大の栄養学者らが女性44人を対象に行った研究では、食事の前に炭酸飲料を飲んだグループと水を飲んだグループ、何も飲まなかったグループを比較したところ、食事で最も多くのカロリーを摂取したのは炭酸飲料グループだったという。


「炭酸飲料などの摂取によって食生活全体が影響を受ける可能性もある」と語るのは、ノースカロライナ大のバリー・ポプキン氏だ。政府が全米の9500人の食生活を調査した統計を基に、「炭酸飲料を大量に飲む人はファストフードの利用が多く、野菜の摂取が少ない」との傾向を指摘している。同氏は「炭酸飲料にはたばこと同じような販売制限や、警告表示が必要だ」と主張する。


一方、米飲料協会(ABA)のリチャード・アダムソン氏は、ポプキン氏らの主張を「ばかばかしい」と一蹴(いっしゅう)。「肥満の主な原因は運動不足と不健康な食生活。炭酸飲料のせいだという確かな根拠はない」と語る。同氏は、ハーバード大での別の研究を挙げて、ラドウィグ博士らに反論する。研究チームがノースダコタ州で2-5歳の子ども1345人の炭酸飲料摂取量を調べた結果、体重の変化とは関連がないことが分かったという。また、業界が出資したワシントン大の研究では、男女32人に食前に炭酸飲料またはフルーツクッキーを与えたところ、食事の量に変化はみられないとの結果が出ている。


こうした研究について、「出資者によって結果は真っ二つに分かれる」と指摘するのは、エール大の心理学者ケリー・ブラウネル氏だ。炭酸飲料への規制を求める研究者らと、これに反発する業界側との論争は今後もさらに続きそうだ。

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