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2006年01月21日

肥満に注意

 正月太りで年明け早々、おなか回りが気になる。そんな人はぜひ、ウエストを測ってみよう。八五センチ(女性は九〇センチ)以上の場合は要注意だ。肥満は、国もいま医療制度改革の柱の一つに挙げる「メタボリックシンドローム」の主要因。高血圧、高トリグリセリド血症…。一つ一つは大したことがなくても、重複していることで心筋梗塞(こうそく)など動脈硬化疾患が起こりやすくなる。

 肥満が良くないのはだれもが知るところ。高血圧や高脂血症、糖尿病と並ぶいわゆる生活習慣病だ。これまで、それぞれの疾患ごとに異なる原因があると考えられてきたが昨今、内臓に脂肪が蓄積された肥満こそが、共通の原因であることが分かってきた。

 肥満には下腹部、腰まわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積する「皮下脂肪型肥満」(洋ナシ型)と、内臓のまわりに蓄積する「内臓脂肪型肥満」(リンゴ型)の二タイプある。洋ナシ型の障害は、脂肪の重みが増加することによって起きる変形性関節症や腰痛など整形外科疾患が中心だが、リンゴ型は糖尿病、高血圧、高脂血症など動脈硬化疾患の発症を高める合併症の発症が多くなる。

 脂肪細胞の働きは主に細胞内に中性脂肪を蓄えることと考えられてきた。ところが、最近の研究では肥満になると「もっと直接的に、例えば、血栓をつくりやすく動脈硬化を促進する物質(PAI1)が分泌されたり、血糖を管理するインスリンの働きを活性化する物質(アディポネクチン)が分泌されなくなることが明らかになった」と話すのはメタボリックシンドローム診断基準検討委員会委員で、東京逓信病院(千代田区)内科の宮崎滋部長だ。

 「CTで測定した内臓脂肪面積が一〇〇平方センチを超えると、同面積が正常の人に比べ合併症の数が一・五倍以上に増えます」とも加えた。この内臓脂肪面積一〇〇平方センチというのが、ウエスト八五センチに相当する。

 内臓脂肪の蓄積を基礎に、高血圧や高脂血症、糖尿病などが重複している状態が、メタボリックシンドロームだ。高コレステロール血症や糖尿病はそれだけで動脈硬化の危険因子だが、個々が“病気の域”に達していなくても重複していれば心筋梗塞、脳梗塞などになりやすくなる。ある調査では、四疾患のまったくない人に比べ、三つ以上重複すると、実に心筋梗塞になる危険率は三五・八倍にもなる。

 このため国内八つの医学会で昨年四月、メタボリックシンドロームの診断基準(表参照)をまとめた。国も、早めに脂肪蓄積の兆候をつかみ、生活習慣病になる前の境界領域期からの生活習慣の改善が、生涯にわたるQOL(生活の質)の維持に不可欠と、医療費の適正化を目指す今医療制度改革の中で重点事項の一つに位置づけている。

 では対策は。内臓脂肪は皮下脂肪に比べ、つきやすい半面落ちやすい。内臓脂肪だけを減らす秘策はないが、治療の基本はいわゆる規則正しい食事と運動が大切になる。宮崎部長は「体重を一キロ落とすだけで、血圧や肝機能の数値が下がります。まずは今の体重を5%減らすことを目標にしてほしい」と語った。

 なおウエスト回りを測る際は、へその上で計測を。ズボンのウエストとは異なる。

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