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2005年07月08日

高齢の肥満気味、長寿も

 人は「太ったね」と言われると腹がたつ。医学的に問題のない肥満度であっても、自分は太っていると思っている人の方が多いからである。「太ったね」と、めったに他人に言わないが、「やせたね」とはつい軽く口に出してしまうことが多い。

 私は「またやせたね」とよく言われる。私は昔からやせており、「また」やせたのではなく、「ずっと」やせていた。だから「やせたね」だけであれば許せるが、「また」がつくと許せない気分になる。医者であっても、他人に言われると、自分ががんにでもなったのか、と不安になるからである。

 だから私は、太ったねと言われるとうれしくなるのだが、肥満は健康によくないことは確かである。最近では肥満に加え高血糖、高インスリン血漿(けっしょう)、高血圧、高脂血漿などをメタボリックシンドロームというようになった。そのような症候を呈すると動脈硬化が促進されて心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの病気の原因になることははっきりしている。

 しかし、この事実は若年から中年にかけてのことである。70歳を超えると事情は異なってくる。高齢になると、少し肥満気味の方が長生きするというデータもでてきた。

 病院の廊下で、元気でポッチャリとした看護師さんに出会うとうれしくなる。この過酷な労働環境の中でよく頑張っているなと、うれしくなるからだ。「よかったね太って」とつい声をかけたくなる。しかし、私は絶対に口に出しては言わない。

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