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2005年04月22日
食べてダイエット
その名も「満腹ダイエット」で、教え子たちを減量させた先生がいる。東京学館高校(千葉県酒々井(しすい)町)で生物を教える大沢睦子さんだ。90年に「太った生徒が目に留まったのがきっかけ」で「ダイエット部」を創設。健康的な食事で減量を目指す活動を始めた。毎年、肥満傾向がある男女の生徒が10人前後集まり、大沢さんのダイエット法に挑戦した。健康的な食習慣を覚えるのが目的なので、活動は初年度が6カ月でその後は4カ月限定。ルールは三つある。
一つ目は「バランス食」。1食を一つの弁当箱に入れると仮定し、その半分に野菜や海藻、豆を詰める。さらに4分の1に魚や肉、卵などのたんぱく質性の食品、残りの4分の1にはご飯やパン、めん類などの炭水化物を詰めるイメージで、食べる物の分量を決める。
二つ目は、最初の1カ月間、▽お菓子▽果物▽ジュース▽乳製品を食べないこと。成人の場合は酒も含む。ただし、もし食べてしまっても次の食事を抜いたりしないこと。そして三つ目は「筋肉ブルブル体操」と「心臓ドキドキ体操」を無理のない程度に続ける。前者は筋肉が震えて「もうできない」と感じるような運動、例えば▽ひざを90度曲げて腰を落として停止▽あおむけになって両足を伸ばしたまま、床から20センチほど上げて静止--など。後者は階段上りやウオーキングなどだ。
起床後の体重を記録し、前日より増えた場合は、何を食べ、何をしたかを記録することも指導した。食事を用意する人の協力も必要だ。「家族の理解がないとできません。『そんなに食べると太るよ』なども禁句。ストレスになってダイエットが続きません」と大沢さん。10年間で計74人が参加。最高減量は初年度参加の男子生徒で、126キロから78キロだった。また25人以上が15キロ以上を減らした。延べの減量は約1トンになった。
ダイエット効果は生活態度にも表れた。授業中、居眠りしていた子が集中して話を聞くようになった。親に悪態をついていた子が「弁当おいしかったよ」と感謝する子になった。食事改善で家族全員がやせた家庭もあり、“幸せ感”が広がった。大沢さんは「できるんだという自信をつけながら、取り組むことが大切」と話す。
◆食品選びに工夫
「食事量は減らさず、食品を少し変えることで脂肪を蓄えないようにしましょう」と勧めるのは「TN健康科学研究所」(東京都港区)所長の健康コンサルタント、永田孝行さん。これも「やせたいけど食べたい」派に、うれしい方法だ。
食べ物が体に入ると血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上がる。これを抑えるため、膵臓(すいぞう)からインスリンが分泌される。糖はエネルギーに変わったりするが、余った分はインスリンの働きで脂肪になる。永田さんは「インスリンは血糖値を下げるのに必要なホルモンですが、肥満にもつながる。その分泌を抑えるには血糖値の上がりにくい食品を食べること」と説明する。
食品選びの目安は、その食品が含む糖が血糖値を上昇させる速さを表すGI(グリセミック・インデックス)値。数値が低い方が上昇が遅く、インスリンの分泌量も少ないため「太りにくい食品」といえる。食品で比べると▽精白米84-玄米56▽フランスパン93-ライ麦パン58▽うどん80-そば59▽じゃがいも90-さつまいも55▽コーンフレーク75-オートミール55。似ている食品だが、後者を食べた方が太りにくいというわけだ。
「GI値の低いものは歯ごたえがあってよくかむので満腹感を感じやすく、食べ過ぎも抑えられます。肉、魚、野菜などはGI値が低いので、バランスよく食べることだけを心がけてください」と永田さん。「空腹を我慢したり減食するとストレスがたまります」と注意する。
◆ライフスタイル改善
「朝昼晩しっかり、バランスよく食べましょう」と提案するのは体重計メーカー「タニタ」(東京都板橋区)の通信講座「ベストウェイト健康講座」で指導する管理栄養士、斎藤直美さん。「太るからと朝食を抜いたり、健康にいい、と豆腐ばかり食べる人がいます。ダイエットには『食べてはいけないもの』も『これを食べればやせるもの』もないのです。毎食必ず主食・主菜・副菜をそろえてください」
というわけで、講座の受講者は毎日の生活記録(体重、体脂肪、歩数、食べた物)をつける。毎月提出されるその記録を管理栄養士らが見て、食事や生活習慣のアドバイスをする。これを3カ月続け、その後は3カ月に1度の提出で1年間続ける。これなら一人でもできそう。「書き出すと、食品が偏っていたり体を動かしていないことに簡単に気づきます。やってみてください」と斎藤さん。講座では、標準体重の目安を「身長(メートル)の2乗×22」においているが、受講生の6割が目標の標準体重に達しているという。
最近は定年後の男性の受講が増えたとか。斎藤さんは「家でダラダラしてしまうのでしょう。1日の計画を作るだけでも健康的に過ごせます」とアドバイスする。生活を書き出すことはポイントのよう。運動はやはり必要ですか? 「運動をしなくては、となると身構えてしまいます。階段を使うとか、駅まで速足で歩くとか、体を動かすことを積み重ねることも有効。外出の時に心掛けてください」
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