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2005年04月14日

生活習慣病の予防サプリ「L-カルニチン」

「L-カルニチン」という栄養素が注目されている。評判の「コエンザイムQ10」と同様、体内の脂肪燃焼にかかわり、加齢とともに不足がちになるという。健康志向や生活習慣病の増加を背景に、サプリメントやさまざまな健康食品が発売されている。

●羊肉に豊富

 L-カルニチンは特殊なアミノ酸の一種。肝臓でも作られるが量は少なく、実際にはほとんどを食品から摂取している。ラテン語の「肉」が語源だけに、肉類に多く含まれる。特に羊肉に豊富で、羊肉をよく食べるモンゴル人が世界で最も多く摂取しているという。横綱・朝青龍をはじめ、筋肉質が特徴のモンゴル人。L-カルニチンの脂肪燃焼の効果とやはり関係があるのかもしれない。ほかに牛肉や豚肉、鶏肉、赤貝やイカなどにも含まれるという。

 100年前に発見され、日本では先天性欠乏症の治療薬に使われていたが、02年12月に食品としての使用が認可された。以来、商品開発が進み、ダイエット効果をうたったサプリメントや健康食品として一気に出回るようになっている。

 中でもL-カルニチンに注目しているのが飲料業界。アサヒ飲料が先月末に発売した健康飲料「スーパーH2O」にも、アミノ酸やクエン酸などとともに配合されている。さらに「ドデカミンV」は先月、L-カルニチン含有量を従来品の1・5倍に増やした。一方、日本コカ・コーラの「燃(も)ヤセ」は、500ミリリットル当たり300ミリグラムという「大量配合」が売り物。ダイエットに関心のある20~30代をターゲットにしている。ほかにもキャンデーやアイスコーヒーなどに使うシロップにL-カルニチン入りが出ており、関連商品は今後さらに増えそうだ。

 欧米では80年代からサプリメントや食品として普及し、L-カルニチン入りの粉ミルクがあるほど。スイスに本社を置く「ロンザ」社が世界のトップメーカーだが、製品は水に溶けやすく、加工に向いているという。日本でも、トップアスリートにとっては必須サプリメントになっているそうだ。

 ●脂肪を運搬

 L-カルニチンは体内でどんな働きをするのだろう。ロンザジャパン事業部長の王堂哲(おうどうさとし)さんは「脂肪をエネルギーに変えるには“燃焼”させることが必要ですが、L-カルニチンは分解した脂肪を運搬する役目を持っています」と説明する。言わば、脂肪燃焼の“仕掛け人”。L-カルニチンが不足すると、脂肪は分解されないまま、皮下や内臓に蓄積されてしまうのだそうだ。ちなみにこの分解された脂肪をエネルギーに転換する手助けをするのがコエンザイムQ10。01年に食品として認可され、昨年10月には化粧品の成分としても認められて一足早くブームになった。

 L-カルニチンについて、王堂さんは「運動能力向上はもちろん、生活習慣病の予防をはじめ、疲れを残さないようにしたり、基礎代謝をアップしたりと、さまざまな効果が考えられます」と話す。基礎代謝とは、呼吸や体温の維持など生きるために必要なエネルギーのこと。筋肉量の減少とともに40歳ごろから急激に落ちてしまうが、脂肪燃焼を活発にし、中年肥満を防ごうというわけだ。

 ●100歳以上には多い

 こうしたサプリメントがはやる背景には、やはり生活習慣病と肥満の増加がある。厚生労働省の国民栄養調査(03年)によると、日本人の脂肪摂取量は1950年の約3倍。社団法人日本病院会の報告では、03年に人間ドックを受けた300万人のうち、約87%の人になんらかの異常が見つかった。症状のトップ3は▽肝機能異常▽高コレステロール▽肥満--。

 一方、体内のL-カルニチンは20歳代をピークに減少する。一般的には年を取ると肉類を食べる機会が減るので、意識的な摂取が求められるという。1日200~300ミリグラムが目安だが、ビーフステーキだと2人前以上になるそうで、やはり食品だけからでは難しそうだ。

 面白いのは、100歳以上の高齢者の体内にはL-カルニチンが多い、というデータがあること。王堂さんは「多いから長生きなのか、長生きしているから多いのか、理由は分からないが、長寿と何らかの関係があるのでは」と見ている。

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