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2005年03月18日
ウオーキング・筋トレの合わせ技
中高年世代にいま増えている肥満-。糖尿病や心臓病、脳卒中など生活習慣病に直結する危険因子となるだけに、体重のコントロールにはとりわけ関心が高まっている。どうすればうまくいくのか。肥満予防を研究する独立行政法人「国立健康・栄養研究所」(東京都新宿区)を訪ね、最新のダイエット法をのぞいてみると、ずばりキーワードは“合わせ技が効果あり”だった。
金曜日の同研究所体育室。中高年の男女約三十人が、介護予防を兼ねた筋力トレーニングに励んでいた。両手の手のひらを胸の前で合わせて力を入れたり、タオルを左右から引っ張ったり。あおむけになってひざを曲げ、ひざの上のあたりを手で押すなどして腹や足の筋肉を鍛える。
「四十代の後半から肉(脂肪)がつくようになった。おなか周りが一番気になりますね」と話すのは東京都八王子市から参加する主婦の吉田祥子さん(55)。しかし、昨年十二月に毎日三十分の筋トレを始めてからは「無駄な肉がしぼれ、だぶつきもなくなってきた」。
墨田区の会社役員男性(63)も昨秋から週一、二回の筋トレを続ける。「少しやせたようです」とうれしそうだ。
中年太りは男女を問わない悩み-。効率よく脂肪を減らすにはどうしたらいいのだろうか。
同研究所健康増進研究部の宮地元彦・身体活動調査研究室長は「きつい運動をしている人ほど筋肉がつき、腹部の脂肪は少ない。逆に緩い運動ではカロリーは使うが筋肉はつきにくい」と解説。こうした効果を勘案し、体脂肪を燃焼させるウオーキングや水泳、エアロビクスなどの「有酸素運動」と、「筋力トレーニング」を組み合わせる“合わせ技”を勧める。
代表例として一日三十分のウオーキングを少なくとも週五回行う。「普段より速めで、ややきついと感じる程度で歩くこと。合計で三十分に達すればいい」(宮地室長)
これに週一、二回の筋トレを加える。腕立て伏せなら二十回くらい。腹筋も二十回、スクワットなら五十回程度が目安。ただし、やれる範囲で全力で続けることがポイントなので、どのくらいの回数が適当なのかは人によって異なるという。
この方法で体格指数(BMI)=「体重」÷「身長の二乗」=を肥満の目安とされる「二五」より低く抑えることができるという。
筋トレを続けることに自信がないという人も特に女性に多いかもしれない。女性の場合、更年期以降は女性ホルモンが減り、脂肪がつきやすい傾向がある。しかし同研究所の最新の調査で、次のような合わせ技も有効なことが分かってきた。
それはやはりウオーキングをするのに加え、納豆や豆腐、きな粉に含まれる「大豆イソフラボン」=別表参照=を摂取すること。それにより体脂肪率が減少。生活習慣病の予防にも効果が期待できるという。
調査では、更年期後五年以内の女性百四十五人(平均五十四歳)を対象に調べた。それによるとウオーキングを週三回四十五分ずつ、大豆イソフラボンを一日七五ミリグラムずつ摂取したグループの体脂肪は一年前に比べ5%弱減ったのに対し、どちらもしなかったグループは3%増加。ウオーキングだけのグループは2%減少にとどまった。
同研究所食品表示分析・規格研究部の呉堅研究員は「大豆イソフラボンが女性ホルモンと同じ働きをするためと考えられる。雄の中年マウスを対象にした実験でも脂肪減少が見られたことから、中年男性にも同じ効果が得られる可能性がある」と説明している。
二〇〇二年の厚生労働省の調査によると、男性では三十-六十歳代の約三割が肥満だった。この年齢層ではいずれも二十年前に比べて一・五倍程度増加した。女性は六十歳以上で肥満が多く、割合は約三割に達する。
一日の歩数も男女とも減少傾向にあり、五十代男性では五年前に比べて千百歩も減っていた。
同研究所の宮地室長は「一日に消費するカロリーの半分は、じっとしているときの基礎代謝によりなされる。これは筋肉量が多い人ほど多い。しかし、筋肉は中高年になるにつれ落ち、基礎代謝も減っていく。このため若いときと同じように食べても体重が増加しがちになる」と話している。
